前回は、岸田首相の政策はまさしくその場しのぎがほとんどであることを説明しました。
今回はこの観点を踏まえた上で、ドル建て金価格と円建て金価格の展望について考えていきましょう。
金価格の週足チャートを確認
以下が岸田政権が短命に終わるであろうことを説明した前回の記事です。
https://kinkaimasu.jp/lounge/2021/12/21/various_reasons_why_the_kishida_administration_can_be_expected_to_end_in_a_short_life/
こちらを踏まえた上で、金相場を検証していきます。
下記は金の週足チャートで、10週、30週、100週、300週の移動平均線を入れています。

2021年12月現在、ローソクは100週の線上にあります。
この100週とはどういう意味かと言えば、1年間は52週であり、その倍が約100週、すなわち約2年間の平均です。
今から2年前は、2019年の12月。
この2019年12月に何が起こったのかといえば、世界で初めて新型コロナが発見された中国の武漢がパニック状態になっていました。
その2年間の平均と今の金価格が一致しているのです。
やっとこさ金相場が適正価格に戻った

この2年間、金の価格が上昇した原因は、まず2020年2月ころにコロナショックが起こり、2020年3月から大規模な金融緩和が起こりました。
金融緩和とはお金をばらまき(ドル価格の低下)、金利を安く抑える(ゼロ金利の導入)ということです。
これは金の価格構成要因【1】ドルと【2】金利に相当します。
この平均価格に金価格が一緒になったということは、つまりこの2年間を通して高すぎた金価格が、この2021年12月になってようやく適正な水準に戻ったということになります。
では、今後はどうなるのでしょうか。
今後ドル建て金価格が下がる理由

新型コロナショック後の金融緩和の結果として高騰し、2021年12月に適正水準に戻った金価格。
高すぎる価格が訂正されれば、今後は金融緩和の影響が考えられるわけです。
日本の金融緩和は縮小しているままですが、アメリカの場合は急速に縮小するような動きになっています。
詳細に説明をすると、アメリカの中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、今年11月にテーパリングの開始を決定しました。
具体的には、金融緩和は続けてもバラマキの量は減らすということです。
つまり、市中にある国債の購入は続いています。
国債の購入は金利の低下につながり、それがゼロ金利の示現となっているのです。
その国債の購入量を減らすので、金利は上昇気味になります。
そして12月16日に終了したFOMC(連邦公開市場委員会)では、11月に決定した月間150億ドルから、倍の月間300億ドル緩和を止めることになりました。
また11月まではバラマキの拡大を来年の6月までに止める予定でしたが、来年3月から利上げを始める可能性を示しました。
それでもインフレが収まなければ、完全に金融緩和の縮小を始めることになるでしょう。
結果として金利は上昇、ドルも上昇するので金の価格は低下します。
これがドル建て金価格が下がる理由です。
円建て金価格と失業率の関係
では、円建て金価格はどうなるのでしょうか。
まず以前に説明しましたが、ドルの価格は雇用と一致しています。
https://kinkaimasu.jp/lounge/2021/09/18/the_current_gold_market_pays_attention_to_the_good_and_bad_of_the_number_of_new_us_employees/
参考までに12月3日に発表された雇用統計の失業率は0.4ポイントも下がっており、その結果、現在もドルは上昇しています。
では円の場合はどうかといえば、基軸通貨であるドルが雇用とリンクしているのであれば、円の場合も雇用もリンクしていると想像することができます。
下記は、黒点線がドル円レート、青棒線が失業率(左軸)です。

これだと、失業率と円の関係がよくわかりません。
なぜならばドル円レートとはドル÷円の計算結果であり、円単体の価格ではないからです。
2020年10月に失業率が過去5年において最高になっていますが、この時の円の単体のレートを以下でご覧ください。
https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-JXY/
引用元:TradingView
まず上記のリンク先を開き、1年になっている目盛りを5年に変更してください。
その中で一番円安になっているのは2020年11〜12月ということがわかります。
日本の雇用統計はだいたい1ヵ月から2ヵ月遅れになるので、失業率が2020年10月に最悪となったことと一致します。
つまり円の価格も雇用と一致するわけです。
賃上げ税制の致命的な抜け道
今後の円建て金価格は、岸田首相のやろうとしている賃上げ税制によって円レートがどうなるのかを考えればわかります。
企業は、さまざまなコストを小売り価格に反映させずに負担していると前々回に説明しました。
https://kinkaimasu.jp/lounge/2021/12/15/the_irrationality_of_the_kishida_administrations_wage_increase_policy_and_its_impact_on_gold_prices/
その上に賃上げをお上から促されているのですから、その減税によってコストが下がるのであれば従うでしょう。
政府の方も、その効果があるように減税を行うでしょうから、コストが下がるようになります。
しかし、企業というのは儲けるために存在するので、さらに儲かることをし始めます。
そこで新規の採用を削ってコストを下げようとするのが当然の発想です。
すなわち新規に採用する人材のお給料をわざと低く設定し、翌年1%上昇させようとするでしょう。
そうするとコストの負担はなしになります。
つまり賃上げ税制は抜け穴だらけの政策であり、既存に職を得ている人たちにはお得ですが、今失業している人にとっては無茶苦茶な制度なのです。
賃上げ税制で円建て金価格はどうなる?

上記のようなことをやっていて、賃上げなど達成できるでしょうか。
賃上げ税制をやって予想されることは新規の採用の減少です。
今のところ失業率は日本でも改善していますが、今後は有効求人倍率の低下から雇用難に変わってくるでしょう。
失業率が増大すると円は安くなる傾向にあるわけですから、円建ての金価格は横ばいか、下手をすれば上昇ということになるのです。
この記事のまとめ
今回の記事では、新型コロナショック後の金融緩和の影響で上昇していた金相場が2021年12月に適正価格に戻ったことを確認。
今後の金価格の展望は、ドル建ての場合、今後の金融緩和の急速な縮小から金利高、ドル高と金の価格構成要因のうち2つともが下げを示唆。
円建て金価格は、岸田政権による賃上げ税制により、結果的に雇用が悪化することになることが考えられるので、失業率に連動している円は安くなることから横ばいか、場合によっては上昇。
返す返すも岸田政権の命脈は長くはないだろう。
こういう内容の記事でした。















