現在、金価格の年間での上昇率が50%という驚異的数字となっています。
この記事の要約
今回の記事では、年間上昇率が50%越えた金価格について解説。
- この金価格の年間上昇率50%という数字は、過去にも例があったのか否か?
- 供給と価格の関係を表すキングの法則に照らし合わせると、この数字はありかなしか?
- 驚異的上昇率の実態と今後の金価格の展望とは?
では、データも交えて見ていきましょう。
前代未聞の金価格年間の50%上昇

金価格が年間で50%の上昇を記録しています。
こんなことは過去に例がありません。
まず、年間50%もの価格の上昇は大抵の場合、需要サイドに問題があります。
供給が限られているのに、需要がそれ以上に伸びてしまったケースです。
例えばコロナ禍でのマスクは需要拡大の典型例で、さらに供給も限られてしまったために高騰しました。
しかし金の場合、目に見えて需要は伸びてはおらず、供給に至ってはむしろ増大しています。
この状態で価格が年間で50%も上昇するのは、ありえないようなサプライズです。
キングの法則に照らし合わせると…

農作物の価格変化には、取れ高が前年よりも1割減の場合は価格が3割高、3割減の場合は5割高というキングの法則があります。
これを引き合いに金価格を見ると、金の供給が3割減っていれば価格が5割高になってもおかしくないのですが、実際は金の供給は増えていますし、需要が3割増える明確な根拠もありません。
唯一数字で証明できる中銀の金需要は、1割程度増えただけで、価格は3割上昇すれば良いところです。
中国需要も1割増えただけなので、やはり3割高が良いところ。
明らかに今の金価格は高過ぎという結論に至ります。
驚異的上昇率の実態と展望
下記は、一番上から今年7月1日からの金の価格(系列1、右軸)を青線、金利を除いたドルの前年比(系列3、左軸)を緑の線、金利を含んだドルの前年比(系列2、左軸)をオレンジの線で表したグラフになります。
7月からの金価格の上昇に伴いドルの前年比も上昇し、10月に入り金利も含めた金の前年比が50%を超えたことが確認できます。
金利を含めなくても45%超の高さです。
次に、7月からのドルの推移(系列9、左軸)と金価格(系列1、右軸)を表したグラフになります。
金の価格はドルが高ければ安くなるものですが、7月の上旬までドルも金もともに上昇しており、これが理にかなった動きではないことは前回解説しました。
そして10月にはドルが急騰状態ですが、その間に金は年間比で50%高を示現しているのです。
今がおかしい状態であることを認識してください。
おそらくこのおかしい状態は、早ければ11月の米大統領選から12月くらいまで続くでしょう。
短期間でこういうことが起きても、相場は中長期では常識通りになるものです。
そしてその常識とは、短期間で高騰したものは値段が下がるという永遠の真理であることを肝に銘じてください。
この記事のまとめ
以上、金価格年間上昇率50%は過去に例がなく、キングの法則を例にとっても、金価格とドル価格のセオリーに照らし合わせてもありえない数字。
このおかしな状況が収まる目安は、とりあえずは11月の米大統領選から1ヵ月くらいか。
短期間で急上昇した相場は下がることになるというセオリーが必ずや発動することになるでしょう。
という内容の記事でした。