トランプ関税によって大荒れの株式市場を尻目に、勢いよく上昇中の金相場。その要因と高値の目安についてです。
この記事の要約
今回の記事は、現在の金相場上昇の背景と今後の価格目標について。
- 金価格の上昇を加速させている2つの要因とは?
- この金の高値相場はどれくらい続くか?
- 今後の価格の目標値はズバリいくら?
では、始めましょう。
金価格を上昇させる二大要因
現在の金価格の上昇要因が中国の買付であることを以前にもこのコラムで解説しました。
これに加えてここ最近、金価格の上昇要因になるドル安が大きく進行しています。
下記のグラフをご覧ください。
緑線がドル建て金価格で右軸、青線がドルインデックスで左軸の目盛りを反転させています。

2025年になってからドルの下落(グラフ上では反転しているので上昇)とともに金価格が上昇しています。
つまり、ドルの下落が金の上昇につながっているのです。
これまでの材料は中国の買付のみでしたが、相互関税の発表があった4月2日以降は、ドル安が加わって上昇が加速したことになります。
中国の金買いとドル安は当分続く?

このうち中国による買付は、米国債の買付をやめた分を金購入に回していると思われます。
つまり中国への関税が続けば続くほど、米国債購入の意思がなくなり、金の買付が増え続けるはずです。
次にドル安に関しては、相互関税の発表前に開催されたG7で、アメリカは貿易赤字問題を提起したことでしょう。
米貿易赤字の減少のために為替レートにできることは「ドル安誘導」しかありません。
つまり材料的にはドル安が9月末までの予定、長引けば来年の3月まで。
一方の中国の金買付購入が終了するのは米中対立が解決した時なので、ニュースに注目ということになります。
テクニカルで割り出される金の目標値は?
弊社では、今年の目標をゴールドマンサックスなどと同じ3300ドルと設定しました。
その計算方法について、まずは金価格の騰落の1年間の推移をご覧ください。

現在は年間で35.8%上昇しています。
去年の前半の金価格はだいたい2200ドルで推移し、その50%上昇が3300ドルなので目標を3300ドルにしています。
この50%の根拠は、去年の高値である約2900ドルがその前年の価格から50%上昇した額だからです。
現在から1年前の価格は2400ドルくらいなので、目標は3600ドルくらいになります。
6月以降は去年の価格が2200ドル程度になるので、目標は3300ドルくらいということです。
ただし、通常のマーケットでは高値は50%ではなく、30〜35%程度になります。
つまり現在は普通なら頭になる価格なので、多少の押し目は覚悟してください。
この記事のまとめ
以上、現在の加速度的な金価格上昇の原因は、中国の買付けとドル安。
まず中国の金買付は、米中関税戦争が続く限り継続するものと考えられる。
ドル安もアメリカの貿易赤字との関係から今年9月、長引けば来年3月まで続くものと想定される。
つまり金の高値局面は当分続く。
ドル建て金価格の目標値は現状では3600ドルくらいで、6月以降は3300ドル。
ただし、通常よりも高すぎるので押し目に注意!
という内容の記事でした。