当コラムでは侵攻はないと主張してきましたが、最悪なことに2月24日にロシアがウクライナに侵攻しました。
今回は、湾岸戦争時と今回の戦争の違いを明らかにし、今後の金相場の展開を予測していきます。
湾岸戦争開戦当時と今の違い

湾岸戦争は、イラクがクウェートに侵攻したことを端緒に1991年に開戦しました。
当時は、今と違いインターネットなどない時代。
東京金取引所も電子取引など存在せず、まだ場立ちがおり手振りの時代、つまり人が売買を合わせていました。
どういうことかといえば、時間になれば各証券会社が各自の注文を持ちより、値段を決定していたのです。
そして一般市民は、湾岸戦争の開戦をテレビなどのメディアでしか知ることができませんでした。
湾岸戦争と「戦争に強い金」

今では少数派になりましたが、湾岸戦争当時の金のセンチメントは「インフレに強い金」、「戦争に強い金」が全盛の時代。
その理由は、1970年代のオイルショックの影響があり、日本円で金が史上最高値をつけたことにあります。
オイルショック当時は、1972年にドル円の固定相場360円が解除され、1ドル280円くらい。
つまり当時の金価格が7000円であるならば、現在の為替は115円なので半額以下、最高値を更新して当然だったのです。
戦争が開始される前からやるぞ、やるぞという報道が目立つようになり、その間に金価格はうなぎ登り。
現在は廃止されましたが、ストップ高という値幅制限があり、連日急騰するので毎日ストップ高で買い注文が入らないくらいの熱狂ぶり。
この熱狂は、開設されたばかりの東京金取引所にとっては願ってもない活況で、現在でも東京に金の公設取引所があるのは、湾岸戦争のおかげと言っても過言ではないでしょう。
開戦、そして連日のストップ安へ

開戦前までは連日ストップ高だった金。
ストップ高とは、買いたくても買えない状態です。
そしてやるぞ、やるぞと最高潮に盛り上がり、テレビで砲火を伝えた瞬間、ストップ高が外れて一瞬でストップ安になったのです。
そこから5営業日くらい連続でストップ安でした。
当然、売りたくても売れない人たちは大損の嵐、今回も同じようなものです。
開戦前まではじりじりと上昇し、開戦すると5〜6時間をおいて下がり始め、日本時間ではないときに思いっきり下がっている状態です。
もちろん今は電子取引なので24時間取引が可能ですが、当時は1時間ごと1日5〜6回立ち合いが開かれ、その時間以外は取引はできません。
NYの金市場の上の長い髭を見て嘆息している方は多いでしょう。
今の金の高さはマーケットの間違い

解説するまでもありませんが、この金の高さはマーケットの間違いです。
つまり金利高、ドル高で金が上昇するはずがないのに上昇してしまいました。
この買いに参戦するのではなく、先物や信用で売りから参戦すべき状態だったのです。
各地の地金商には新規の買いではなく、売りを求める行列ができたと聞きます。
さすが長い取引歴のある方々は、マーケットがお上手です。
いいところで売却したと言えるでしょう。
ウクライナ戦争と金相場

開戦前に高金利、ドル高だったのですが、開始後はドルも金利も低下してきています。
金の価格に対してネガティブな部分が解消してきている、つまりは下げにくくなっているのが現状です。
そこで、金利とドルの今後を見ればいいでしょう。
原油がこれだけ値上がりすれば物価が上昇するのは必然であり、金利は上昇します。
欧州や日本では金利はいまだにないに等しく、金利が存在するのは先進国ではドルだけです。
すなわち、ドルは黙っていても高くなる。
一時的にドルと金利が停滞しているだけであり、ある程度状況が落ち着いてくればドル高、金利高になるのは自明。
湾岸戦争以降に金の価格は1000円以下になり、また地金商に行列ができましたが、今回はまだそれまでになるのかはわかりません。
この記事のまとめ
今回の記事では、湾岸戦争の時と同様にウクライナ侵攻でも金価格は、開戦まで上がって開戦後に落ちていくだろう。
現在の金の高騰は、本来の価格の構成要因の分析に従えば市場の間違い。
今後さらにドルも金利も上がるとなれば、金価格が下がっていくことは必然!
こういう内容の記事でした。
















