日本の財務省によるドル円相場への介入は、主だったところでは今年4月末と7月末に行われました。この為替介入は、円建ての金相場にも大きな影響を与えます。
この記事の要約
今回は、8月末の財務省による為替介入の可能性と、その円建て金価格への影響について考察します。
- ドル円相場の現状と、ドルと円、金の関係性は?
- ドル円為替介入が行われるか否かのポイントとは?
- もし為替介入が行われたら円建て金の価格にどんな影響があるか?
では、始めましょう。
ドル円相場の現状を確認
まずはドル円相場の過去1年間の足をご覧ください。

4月末や7月末に大きく円高になっていますが、これは為替介入によるものです。
特に7月末は日米による協調介入で、大きく円高になりました。
共に介入が月末に行われていることから、8月末も為替介入を警戒しなければならないと言えます。
為替介入が実施されるポイントは?
介入には大きく2つのポイントがあります。
まず円の実効為替レートを見てください。

注目してほしいのが、4月末と7月末に円は最安値になっている点です。
最安値になれば、財務省が円に対して介入を実施するということを覚えておいてください。
他に円インデックスの日足があります。
https://jp.tradingview.com/chart/ZsN75qDZ/?symbol=TVC%3AJXY
引用元:TradingView
こちらも4月末と7月末に最安値が更新されました。
ただし、上記の円の名目実効為替レートも併せて、8月末は最安値になるとは言い難いでしょう。
ゆえにこれらのポイントからは介入はないという判断になります。
「ファンダメンタルズとの乖離」とは?
しかし、実は注目すべきポイントがもう一つあります。
下記は実際のドル円レート(オレンジ線)と、円とドル双方のインデックスを計算してドル円の理論値(青線)を導き出したレートです。

項目の521近辺が4月末、541近辺が7月末になります。
4月末は青線の理論値とオレンジ線の実際のドル円レートが大きく乖離しているので、介入が実施されたと推測できます。
ところが、7月末は実際のレートと論理値がほぼ同じでも介入が実施されました。
財務省の「ドル円のレートは大きくファンダメンタルズと乖離をしている」というコメントを思い出してください。
理論値が正しいとすれば、8月末は実際のレートと論理値の乖離が大きすぎます。
ここに財務省が再び介入を実施する根拠が出てきたことになるのです。
円と金とドルの関係

なぜ、為替介入が金相場に大きく関係するのでしょうか。
ドル建て金の場合、ドルが大きく下落すればドルの信認が落ちていると見なされます。
つまり、ドルの価値の毀損から金の価値が相対的に上昇するのです。
円建て金の場合も構造は同じです。
円が大きく下落すれば円の価値の毀損なので、円建ての金の価値が相対的に上昇するということです。
ここでドルと円の関係をおさらいすると、ドルは基軸通貨であり、ドルの価値が下がればドル以外の通貨価値も下がることを意味します。
これは、ドルがなくなれば現状の通貨体制も壊れることになるからです。
つまり円やその他の通貨はドルなしには存在しないので、ドルの価値下落は金の価値上昇になります。
仮に為替介入があれば円建て金は?
通常、金の価格は以下の構成要因の上下によって動きます。
【1】ドル
【2】米金利
【3】GDP(国内総生産)
+需給
ただし、円建ての金価格は円相場の上下によっても変動します。
つまり日本国内においては、【1】を円と書き換えても同じことです。
今の高市政権は金融緩和、つまり円の価値を毀損させる政策を取っているため、しばらくは円安相場になります。
円の価値がなくなれば金の価値が上昇するのは当然のことです。
ドルが多少強くなっていても、円安なので円建て金の価格は下がらないことになります。
この記事のまとめ
以上、財務省によるドル為替介入は、今までは円インデックスや名目の実質為替レートを根拠に当てていました。
しかし、現状がファンダメンタルズを無視して円安になっていると当局が判断すれば、8月末も介入がある可能性があることになります。
ただし、金は通貨の価値がなくなっていけば値段が上昇するのが通常です。
仮に8月末もドル円介入があったとしても、長いスパンではまだ円安相場は続くので、そこは買い場になることになるでしょう。
という内容の記事でした。
















