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5月22日から24日にかけて、アメリカのバイデン大統領が大統領就任後初めて来日しました。
今回は、この成果と金価格への影響について解説します。
訪韓と訪日、どっちが先か後か問題

日本では、韓国の方が先にバイデン大統領が訪問することが問題視されたようですが、どちらを先に訪問したかはアメリカにとってあまり問題ではありません。
日本ではクアッドの首脳会合が開かれたことを加味すると、韓国訪問が先であったことは日程的に合理的という判断になります。
また、日本にとっても日米首脳会談以降にクアッド会合を行ったことは大きな成果になるでしょう。
韓国の新大統領就任2週間後にアメリカ大統領を迎え入れることは、極めて異例です。
アメリカ側には国内イシューであるインフレ問題があったとされます。
そのほか、増大する北朝鮮に対する危機感もあったでしょう。
インフレと半導体と韓国と

アメリカ政府の見解では、インフレの原因は「サプライチェーンの混乱」ということになります。
この中に半導体の需給が問題となっている部分があります。
そこでバイデン大統領はサムスン電子の半導体工場視察という日程を組み入れ、インフレ問題と対峙している姿勢を見せました。
半導体は「産業のコメ」と言われITには欠かせないものです。
しかし受注のほとんどが中国によってなされ、世界的な半導体不足が顕著になっています。
ほとんどの家電やパソコンなどのデバイスは半導体なしには生産ができず、獲得競争になっていることをサプライチェーンの混乱と呼んでいるのです。
その主要生産地である韓国の代表的メーカー、サムスン電子の工場をバイデン大統領が訪問することは、インフレに真剣に取り組んでいる姿勢を大きくアピールする結果になりました。
バイデン訪韓の成果

肝心の韓国での安全保障の取り組みは、韓国の前政権が重視していた対話の方向性が転換されたことが重要です。
今回の政権は圧力も重視する方針なので、アメリカとしてはその方針転換を歓迎するというメッセージがあったと思われます。
しかしバイデン大統領の離日直後に北朝鮮がミサイルを発射したことは、北朝鮮が脅しには屈しないという姿勢を鮮明にしました。
これはバイデン大統領の面目を潰したことになります。
韓国訪問の成果としては、まずアメリカ国内のインフレ問題への対処という点、2番目として安全保障を同盟国としてより一層前進させるということになるでしょう。
日本での成果とクアッド

日本はアメリカ国債の大量保有国であり、今回のパンデミック、ウクライナ侵攻に際してより多くの米国債を購入しています。
この日本の要請があれば、アメリカ大統領は請なければいけないのは必然であり、コロナが落ち着いた現在、良いタイミングだったと言えるでしょう。
岸田首相は国内の防衛力の増強によって、アメリカとともに安全保障の問題に取り組むことを表明しました。
問題は、日米首脳会談後のクアッド会合になります。
クアッドとは、アメリカと価値観を同じくする同盟国の日本、インド、オーストラリアが参加した軍事同盟と言ってよいでしょう。
つまり、中国や北朝鮮を意識した環太平洋の安全保障の取り組みの一環となります。
インドの立ち位置と歴史的背景

問題の多いインドですが、これには歴史的な背景があります。
まずインドの敵国であるパキスタンは、もともとアメリカが支援していました。
そこと敵対するインドとしては、兵器をアメリカに頼るわけにはいかず、やむを得ずロシアからの兵器輸入になったのです。
ロシア産原油の多くを輸入するのも安全保障をロシアに頼り、ルーブル払いで決済する国としてロシアは今後も優遇するということです。
そしてインドは中国とも国境問題を抱え、昨年末には両国間で多少の武力行使もなされ、緊張状態が続いていることも安全保障の問題となっています。
ただし以前からインド軍は中国軍の足下にも及ばないことは確認されており、インドとしてはパキスタンを支援するアメリカとは距離を置きたいところです。
さまざまな利害が入り組んでおりインドは苦悩が大きいところになります。
どちらにしてもインドは中国との国境問題を抱え、悩ましい選択なのか、それとも米ロどちらにも都合のよい選択ができる国です。
アメリカとしては中国包囲網を敷きたい思惑から、インドをクアッドに引き込んだ経緯があります。
この場合、インドの言い分は通りやすい状況にあり、今後も両陣営を見て選択していくという形になるでしょう。
IPEFの発足と対中ロ関係

一番の問題はIPEF(インド太平洋経済枠組み)の発足になります。
TPPはアメリカの環太平洋、アジア地域への経済介入を残した貿易協定になりますが、そこに中国が参加表明したので、アメリカはIPEFという枠組みを発足させました。
このIPEFはアメリカの市場へのアクセスを容易にするものではなく、アジア地域の貿易を拡大させるために拡大させたものです。
意図は中国外しが鮮明です。
現段階でシンガポール、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなどが加盟を表明しています。
肝心の東南アジア諸国ですが、中国の気分を害しかねないということで参加表明を見合わせています。
また、先の米韓会談で韓国もクアッドに興味を示していることをバイデン大統領に表明しています。
韓国の参加は北朝鮮、中国の気分を害すことになるでしょう。
世界経済と日本経済への影響は?

アメリカの表明したIPEFやクアッドは露骨な中国外しの政策であり、ここにウクライナが加われば、中国とロシアを世界経済から排除しようという意図が窺うことができます。
完全なデカップリング(離合)ではなく、協力できることは協力し合うということなのでしょうが、対立の先鋭化は避けられないでしょう。
現実にアメリカが中国に課した制裁の解除は、中国が熱望してもアメリカは中間選挙を控えて消極的な状況は改善されません。
こうした状況で、世界2位の経済大国である中国や経済的に復権したロシアを世界経済から排除することは、世界の損失にしかなり得ないと判断できます。
日本では、もはや中国製品抜きでの生活はありえません。
そんなことをすれば物価が高騰するのは目に見えているのに、そこに突き進んで行くのは自爆行為のように思えます。
日本の年収が下がってもどうにか庶民の不満が抑えられているのは、物価が下がっているからという側面があり、中国からの大量の廉価製品がなければ日本の治安の良さも不安定になるでしょう。
金価格への影響に関して

バイデン訪日に関して、金の価格構成要素である【1】ドル・元、【2】金利、【3】GDP(国内総生産)への影響は目に見えての変化はありません。
よく戦争が起これば金は買い、インフレが起これば金は買いと一般に流布されますが、これらは通貨安が要因です。
現在は金利が上昇して通貨が上がっている状況になりますが、反対に金は上昇しているという流れになっています。
この記事のまとめ
今回の記事では、バイデン大統領の訪韓と訪日は、どちらが先かなどあまり問題ではなく、日本には防衛費の増額やクアッド、IPEFといった安全保障上の成果があった。
しかし、中ロを世界経済からデカップリングする試みは、日本にとって経済上の自爆行為とさえ言える。
今回のバイデン訪韓、訪日による金価格への影響は目に見えて変化はない。
現在は金利の上昇によって通貨も上がっているのに、金は上昇しているという形。
金価格への影響は具体的には言及できない、という状況になっている。
こういう内容の記事でした。
















