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【10月の誕生石オパール(蛋白石)】その特徴と種類

【10月の誕生石オパール(蛋白石)】その特徴と種類

2017/04/10

その七色に光りきらめく様子が虹にもたとえられる「オパール」。この10月生まれの人たちの誕生石「オパール」は、古来様々な神話や詩に登場してきました。すでにローマ時代には、オパールは宝石として珍重された記録が残っており、かのシーザーもオパールを愛したという逸話もあるほどです。また、シェイクスピアの恋愛喜劇「十二夜」では、移り気な伯爵を虹のように変化するオパールの色に例えてからかう場面はよく知られています。この記事では、様々な色の変化を楽しむ珍しい宝石「10月の誕生石オパール」についてお伝えします。

オパールの歴史

他の宝石にはない虹色の輝きを持つオパールはどのように生まれたのでしょう？

オパールの歴史は、恐竜たちが地球上を闊歩していた白亜紀の頃までさかのぼります。この時代における活発な地殻変動や、激しい気象の変化などの影響により、地下に吸収された多量の「珪素」(ケイソ)が固まり、オパールに変化したということがわかっています。

その証拠として、オパールの最大供給地オーストラリアのシドニー中心街にある「ナショナルオパールコレクション」では、なんとオパール化した恐竜の化石が展示されています。

この親しみを込めて「ネッシー」と呼ばれる恐竜の化石のように、骨や貝などがオパール化することは決して珍しい現象ではありません。

オパールの語源は｢貴石｣を意味するラテン語の『オパルス(Opalus)』に由来します。

古代ローマ人は「希望の石」として愛し、アラブ人は「天から落ちてきた稲光」が畏敬し、世界に広くオパールの魅力が伝わりました。

その後も英国ビクトリア女王が植民地オーストラリアの良質なオパール鉱脈を得たことで、オパール市場を保護したことにより、オパールの地位は不動のものとなりました。しかし、オパールはモース硬度で言えば5-6.5であり、水分を含み結晶体とも呼べず、宝石という定義からは外れた存在です。

しかしオパールの価値は、ひとえにその美しさから、長くジェムストーンの代表として確立されています。

その後もオパールの価値に対する高い評価は、現在に受け継がれています。

オパールの産地

現在オパール供給量の大部分は、メキシコとオーストラリアで採掘されています。

特にオーストラリアは、オパール全採掘利用のおよそ95％を占めるといわれています。

しかし、オーストラリアで原住民アポリジニ以外の人々によるオパールの採掘がはじまったのは1800年代に入ってからです。それまでの長いオパールの歴史の中で、一貫してオパールを供給してきたのは、旧ハンガリー、現在のスロバキアのDubnik地方の巨大オパール鉱山でした。

英国植民地化されたオーストラリアに巨大なオパール鉱脈が発見され、多量に輸入されるようになると、価格競争に敗れたハンガリーのオパール鉱山は20世の初めに採掘が中止されてしまいました。

また、近年エチオピアやブラジル、ペルー、インドネシアなどでもオパールが採掘されていますが、有色効果や色の美しさにおいて、メキシコやオーストラリア産オパールのクオリティには及ばない評価を受けることが多いようです。

オパール最大の秘密

オパールの最大の特徴であり、珍重されてきた理由であるあの虹色のきらめきはどのようにして生まれたのでしょうか？

オパールがケイ素が変成してできた宝石であることはすでに説明したとおりですが、その美しさの秘密はその変成される過程にありました。ケイ素は水分が蒸発すると球形になります。このミクロのケイ素の粒子が無数にオパール一粒の中に重なり合い、あの虹色のプリズム「遊色効果」を生み出しているのです。

このように、オパールがダイヤモンドなどほかの宝石とは違い結晶した石ではなく、また宝石の中で唯一水分を含み、またケイ素と水分が混じり合ってできた粒子の集まりにすぎないことこそがオパールの美しさの最大の秘密なのです。

オパールは2種類の構成と３つに分類される

最大の特徴である遊色効果(プレイオブカラー)を持つ物を『プレシャスオパール』、遊色を発しない赤～黄色のオパールをファイアオパール、研磨剤や断熱材にも使われる宝石としては殆ど価値の無いコモンオパールと分類されます。

※コモンオパールは、商業名などが多数ありますが、市場的には宝石としては価値は皆無となります。

またライオライトの母岩内部にオパールが挿入されたカンテラ(Cantera)などもあります。

<粒子の集まりからの2つの分類>

またオパールの外観上の特徴の差異がオーストラリア産の「堆積性」のオパールと、オーストラリア以外のメキシコ産に代表される「火山性」のオパールがあるかでも分かれている事は余り知られていません。

宝石名からの7つのオパール

次に宝石名として、産地と色により7つに分けられています。

<ライトオパール>

石の地色が白いことから名づけられた「ホワイトオパール」。

ただ本来『ホワイトオパール』と言う呼称は地色が乳白色または白色のみに使われるべきで、透明度の高いクリスタルオパールには当て嵌まりません。

19世紀まではスロバキア主流産地として名を馳せたものの、その後1887年にオーストラリアで鉱脈が発見されて以来、英国系移民による現地での採掘が盛んとなり主産地に躍り出ました。

<ボルダーオパール>

オーストラリアのクイーンズランド州で、尚且つ鉄鉱石の丸い石から見つかります。その母岩の中に付着している帯の様な層から研磨した物を指します。

<ブラックオパール>

長い間存在が知られていなかった最高級クオリティでライトニングリッジ以外で産出されない「ブラックオパール」は、1902年に採掘スタート。

「ボルダーオパール」「ブラックオパール」共に評価基準としては、その希少価値から赤やオレンジの暖色系の遊色効果があり、しかも広範囲に至るものが最も高価で取引されます。また、色のきらめきの現れ方も注目されるところです。カメラのフラッシュのような「フラッシュパターン」や、リボンや猫の目の形に見えるパターンなど、オパールの数だけパターンがあるといわれています。

青や紫の寒色系のものはその次に価値があるものとして評価されます。

呼称として有名な『ピーコックブラック』『ハーレクイン』などが有名です。

<ブラックオパールの贋作>

オパールの最高級品質であるプレシャスオパールは数が少なく希少な事から、安価なライトオパールを薄くカットし、ダブレットやトリプレットといった張り合わせのブラックオパールやボルダーオパールが数多く流通しています。

・タブレットオパール

その名の通り『二重』にオパールを貼ったモノ。薄いライトオパールを黒く塗った後、コモンオパールや母岩を貼り合わせる。

・トリプレットオパール

ダブレットに更にガラスを貼ったモノ。母岩ではなくオニキスを用いる場合もあります。

横から見れば一目瞭然ですが、『オーストラリアンオパール』として現地でも盛んにお土産で購入する事が出来、リファスタでも多数持ち込まれますが、宝石としての価値は皆無です。

<メキシコオパール>

透明度が高いことが最大の特色で、赤からオレンジの透明度の高いオパールが代表的なメキシコオパールと思われますが他の色も存在します。

市場では地色が青系のものを『ウォーターオパール』、オレンジ系を「ファイアオパール」と呼んでいます。

透明度が高く色合いが美しい火山性オパールはメキシコ産が最高品質であるとされています。

・『透明度が高い』が故の保存の難しさ

オパールは前出の通り水分を含む唯一の宝石であり、その中でも『ウォーター』を冠するメキオパの水分量は他と比べ高く、日本人が1960年代に流行ったメキオパジュエリーを買い漁った後、乾燥による脱水によるヒビ割れ(業界用語で『カンが入る』)をおこし、商品価値を無くす製品が数多くあったと言われています。

オパールはモース硬度も5-6と低く、且つ乾燥でひび割れてしまうのと、逆に湿度過多の場合には水分を吸収して粒子のバランスが崩れ、遊色効果も弱まると言う不安定な宝石でもあるんです。

<ファイアオパール>

『メキシコオパールのファイアオパール』と行った分類では無い、産地等も関係の無い、ただ赤やオレンジ系統のものの呼称です。

<コモンオパール>

黒でも白でもオレンジでも、遊色効果が無い不透明石を総じて『Common(=普通) Opal』と呼びます。

<カンテラ>

母岩と共に研磨されたプレシャスオパールです。オレンジ系が多く、多くはアイオライトの母岩と共に研磨され製品化されています。

パワーストーンとしてのオパール

<オパールの石言葉>

「歓喜」「安楽」「純粋無垢」「幸福を得る」「安楽」「希望」「苦しみを克服」

オパールはその時代や、場所によって様々な名前で呼びならわされてきました。

古代ローマ時代には「神の石」、メキシコの先住民アステカ族は虹色の羽を持つ蜂鳥にちなんで「蜂鳥石」、オーストラリアの先住民アポリジニは「虹が落ちたときにできた石」と名付けられてきた歴史があります。

この歴史が語るように、人々の間で幸運と希望の象徴して大切に守られてきたオパールには、人々を希望や願望に向かわせる強い力があるといわれています。

絶望から人を救い、憂鬱な気分を取り払ってくれる希望に満ちた石なのです。

オパールによく似た宝石達

他の宝石に見られない虹色の輝きを持つだけに、オパールに類似した石というものはほとんど見当たらないようです。

しかし、ガラスの中に一見して非常にオパールに似たものがあり、それが名匠ラリックの作品によく使われている「オパルセントガラス」です。Whiteオパールに非常によく似ています。

またオパールの種類の一つである石なのですが、ガラスのように透明な「ウォーター・オパール」「クリスタル・オパール」があります。

背後が暗くないと輝きよくわからないため、宝石として扱われることは少ないうえに産出量もごくわずかなことから、鉱物コレクションの一つとし取り扱われることが多いようです。

また、遊色効果がない「コモンオパール」の中でもピンク色のオパールによく似た石として「パリゴルスカイト」が有名です。キャッチフレーズが「天使の肌オパール」のため、オパールと誤解されやすいのですが全く別の鉱物になります。

誕生石「オパール」を身につけることの意味

いかがでしょうか？

このように水とケイ素が混じり合い不思議なプリズムを秘めた「オパール」という石は、天の虹にも稲妻にも例えられてきた魅惑の石です。

※ですので極度の感想や極度の加湿状態だとコンディションが変わってしまう事もある事をお忘れなく！

そして、美しさだけではなく、希望を与えてくれる意味を持つラッキーストーン。

10月生まれなら、ぜひ一つは持っていたい誕生石オパールです。

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