宝石箱や小袋で個別に収納する
石というくらいで、宝石には硬いというイメージがあるかもしれません。しかし、硬いと言われるダイヤモンドも、へき開面という特徴で原子の結合が弱い方向があり、ぶつけ方によっては簡単に欠けたり割れたりします。
宝石はパールのように傷つきやすいものから、エメラルドのように内包物が多く、内部にヒビが入りやすく割れやすいなど、さまざまな硬度や靭性(衝撃に対する強度)のものがあります。異なる石を一緒に保管してしまうと、ぶつかり合って傷つけてしまうことがあるので必ず個別に保管しましょう。
仕切りのある宝石箱を利用したり、ジップ付きの小さい袋に1つ1つ入れておくなど宝石同士が接触することがないようにしてください。なお、ピアスなど2つセットのものも、石同士がこすれるのを避けるため離して収納したり別々の袋に入れるなどしましょう。
直射日光や高温多湿を避ける。乾燥のしすぎにも注意
通気性がよく、温度や湿度があまり変わらない場所で保管しましょう。宝石の中には、アメシストやトパーズなどのように紫外線によって劣化してしまうものがあります。窓際での保管は避け、フタ付きの箱などに収納しましょう。また、熱や水分によって変色したり劣化したりするものもあるので、浴室のそばなど、高温多湿な場所は避けてくださいね。
しかし、パールやオパールのように美しさを保つためにある程度の水分を必要とするものもあり、中には乾燥しすぎることで変色したり割れたりすることも。いくら湿気が心配でも、乾燥剤は一緒に入れないでくださいね。
酸化させたくないなら密閉保管
アクセサリーにとって酸化は大敵。使わないで保管していた宝石がいつの間にか黒ずんでしまっていることがあります。これは酸化が原因なので、あまり使わないものは密閉保管するとよいでしょう。密閉と言っても難しく考える必要はありません。100均で購入できるジッパー付きビニール袋でも、宝石を入れてしっかり空気を抜けばOKです。
ただし、密閉しているからといってしまいっぱなしはNG。大切な宝石だからこそ半年に一度は取り出して、状態のチェックとお手入れを行ってください。
外出先での保管の仕方
オフィスや旅行先など、外出先でアクセサリーを外した際には、小さめのジュエリーケースを使うのがおすすめです。ケース自体が硬ければ、外からの衝撃を受けずにすみます。いざというときは、メガネケースやイヤホンケースなどを代わりに使うことも可能です。
収納の際に宝石同士がぶつからないように、ジッパー付きビニール袋と外したときに拭くためのクロスは必ず一緒に持参しましょう。
アイテム別保管の仕方
宝石といってもネックレスやリングなど形はさまざま。それぞれに合った保管の仕方についてご紹介します。
・ネックレス
ネックレスは、そのまま放り込んでしまうと絡まってしまうことがあります。一度絡まってしまうとほどくのが大変ですし、うっかり強く引っ張ると、チェーンが切れてしまう危険性も。止め具をとめて、まっすぐ伸ばした状態で保管するのがおすすめです。
伸ばして置いておく場所がないという方は、ジッパー付きの袋がおすすめ。トップ部分を入れ、ジッパー部分の両端にチェーンが通るようにします。このとき止め具はとめておきましょう。外に出ているチェーン部分を袋にくるくる巻きつけてそのまま別の袋に入れれば、絡まりを防止し、止め具が石を傷付けてしまうのも防げます。
・リング
購入したときに入っている箱に入れたり、小袋に入れたりして個別に保管しておくことが基本です。ジュエリーボックスのリング用のスリットに保管する場合は、リング同士は離して保管しましょう。リング同士がぶつかると変形することがあります。変形によって歪みが生じ、石が取れてしまうことがあります。
・ピアス・イヤリング
セットであっても石同士がぶつかって傷ついてしまうことに注意しましょう。専用ケースに入れて保管すれば石同士がぶつかることなく保管できます。ジッパー付きビニール袋を使うなら、左用右用を別々に入れ、さらに2つをまとめて袋に入れておけばばらばらになってしまうことも防げます。
・ブレスレット
チェーンタイプなら、ネックレスと同様に伸ばして保管します。バングルタイプやテニスブレスは変形してしまうと使えなくなってしまうので注意が必要です。ジュエリーボックスに入れる際は、大きめのスペースに入れるようにしましょう。
保管前のケア
宝石は必ず身支度を終えて最後に身につけましょう。洋服を脱ぎ着するときに引っ掛けてしまう恐れがありますし、宝石は油分やアルコールに弱いので、化粧品やヘアスプレー、香水がついてしまうと変色や劣化の原因になります。同様に帰宅した際は、宝石を一番最初に外します。
また、身に着けたジュエリーを外してそのまま保管するのはNGです。知らず知らずのうちに皮脂や化粧品がついているので、やわらかい布で拭き取ってから保管してください。
汚れが気になるときは、ダイヤモンドやルビー・サファイアなど硬度の高いカラーストーンなら、中性洗剤を入れたぬるま湯の中で、柔らかいブラシを使ってやさしくこすります。真水ですすいだら柔らかい布で水分を拭き取ってください。
なお、エメラルドやパライバトルマリンのように衝撃に弱いものやパール・オパールのようなデリケートなものは柔らかい布で拭くだけにしておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は宝石の基本的な保管方法とケアの仕方をご紹介しました。いざ宝石を身に着けようとしたときになんとなくくすんでいたのではがっかりします。普段から適切な保管とお手入れで美しさを保ちましょう。
お気に入りの宝石は、いつまでも美しい状態で、長く愛用したいですね。そのためには、日々のケアと適切な方法で保管することが大切。そこで今回は、宝石の基本的な保管方法とお手入れの仕方をご紹介します。