1910年代にシャネルがデザインした女性用スーツ、通称「シャネル・スーツ」。ジャケットの襟元は丸いノーカーラー（カーディガン風）のデザインが特徴。スカートは膝下5～10cmの丈で、ストレートのスッキリとしたデザイン。また、襟元やポケット口をブレードで縁取ったり、金属釦を用いるデザインも定番です。パスマンティエ（passementier）と呼ばれるブレード専門の職人がいる程、シャネルスーツには重要なパーツ。そんな機能的なデザインが評判となり、パリで最も人気のオートクチュールとなりました。

ブラックとベージュのバイカラーが特徴の「シャネルパンプス」は、シャネルが考案したデザインです。スーツにも使用しているベージュ色は、ココ・シャネルが「本当の大地の色」として好んでいたカラー。肌の色とシューズのベージュを繋げることで脚を長く見せ、つま先を傷や汚れの目立たないブラックにすることで足元を引き締めて見せてくれます。

ファッションにおける「ヴィンテージ」と言う言葉は、は古くて価値が高い物・年代物のアイテムなどを指します。シャネルは100年以上に渡ってさまざまなアイテムを展開しているので「ヴィンテージシャネル」といった言葉が浸透するほど、その数は膨大です。ココ・シャネルの精神を反映したクラシカルでどことなくレトロさを感じさせる独特のデザインは、年代や国を問わず人気を集めています。